パッチテストは内服テストよりも数多くの金属に対してのアレルギー反応を調べる事ができます。しかし、パッチテスト陰性でも全身型金属アレルギーを示す症例がいくつか報告されています。
つまり、パッチテストでは、アレルギー症状を引き起こす金属がどれなのかは解明できるが、アレルギーを起こさないとは断定できないという事になります。
パッチテストは決して完璧な診断方法とは言えませんが、安全性の面で優れているので、最初に行うべき診断法として推奨されています。
汗疱の発症には、全身型金属アレルギーが関与しているとされており、金属内服テストが最も良い診断方法になります。
ただし、毒性の強い金、水銀、白金、鉛などの経口投与は行うことができず、限られた金属にのみしか用いる事ができません。
一方、最もアレルギー症状を引き起こしやすいとされている「ニッケル」、「クロム」、「コバルト」は、内服テストを行う事ができ、金属アレルギーの有無を確実に決定できるので、優れた診断法ではあります。
軽度の場合は、尿素軟膏とサリチル酸ワセリンの塗布だけでも十分症状を緩和させることができます。
また、手汗がひどい人の場合は、10~20%程度の塩化アルミニウム外用薬を併用すると良いでしょう。
尿素軟膏等の塗布で症状の改善が見られない場合は、ステロイド外用薬を用います。また、それでも症状が改善されない場合は、紫外線療法やステロイド内服薬を用いる場合もあります。
金属アレルギーの検査で陽性が出た場合は、その金属を含む食物の摂取を制限することで症状が改善する場合があります。
ここで、金属アレルギーを引き起こす代表金属「ニッケル」、「コバルト」、「クロム」を多く含む食物を挙げておきます。
ニッケル:豆類、木の実、ココア、チョコレート、タバコ、漢方
コバルト:豆類、木の実、レバー、ココア、チョコレート
クロム:ココア、チョコレート
金属は体に必要な成分であり、長期にわたって金属摂取制限を行うべきではありません。1ヶ月ほど続けて効果の改善が見込めなければ速やかに食事制限の解除をしましょう。
金属アレルギーの意外な原因として、歯科治療で埋め込まれた金属によりアレルギーを引き起こしてしまうという事があるようです。心当たりがある方は、自身に埋め込まれている金属のパッチテストや金属内服テストを行なってみるのも良いと思います。
汗疱はまだ原因不明な点が多い病気ではありますが、金属アレルギーがあり、かつ手汗が多い人が発症しやすいという事は分かっています。
もし、手に水膨れが出来た際には、汗疱の可能性を疑い、今回の記事の内容をよく読み、是非治療に役立てて下さい!
以下、汗疱と疑われる症例の画像をいくつか紹介しています。自身の症状と比べてみて、心当たりがあれば病院で診療されることをおすすめします。
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