収れん効果とは、タンパク質に働きかけて身体組織を縮めたり、収縮させる作用のことです。
漢字では収斂効果、英語ではその効果を持つ物質をAstringent(アストリンジェント)、その効果を含めてAstringent Effectと呼ばれます。
よく制汗剤に用いられる塩化アルミニウムやミョウバンは総称アルミニウム塩と呼ばれます。これらの物質は収れん作用があることが確認されています。
アルミニウム塩である塩化アルミニウムやミョウバンは収れん効果を持ち、それが汗を抑える働きをしていると考えられています。
収れん効果により体組織のタンパク質に作用して、皮膚の細孔を閉じます。汗腺の一部であり、汗を皮膚表面まで運ぶ汗管は細孔のひとつです。
収れん化粧水で毛穴を引き締める、とよく言いますが、それと同じと考えると分かりやすいかもしれません。
もちろん、収れん効果の作用の程度には個人差があるため、完全に汗が止まるわけではありません。また、収れん効果のある物質がなくなってしまうと、通常の状態に戻るため制汗効果は一時的なものです。
ちなみに、アルミニウム塩(塩化アルミニウムやミョウバン)は収れん効果による細孔の引き締め以外にも汗を抑える作用があると言われています、
皮膚表面でタンパク質と反応してゼリー状の物質を作り出し、それで汗管へ蓋をしてしまうという効果です。
他にも様々な影響が同時多発的に起こっている可能性もあるようですが、まだ完全には解明されていないようです。
いずれにせよ、これら複数の影響で結果として皮膚が汗を出しづらい環境を作り出していることになります。
収れん効果のある物質は、汗を抑える以外にも様々なかたちで利用されてきた歴史があります。血液を凝固させる止血剤、粘膜の炎症を抑えるなど、治癒目的でも使われます。
柿を食べたり、緑茶を飲んだりした際に、「渋い」という味・感覚で舌の反応を表現することがあります。実は、この渋みも収れん効果の1つだそうです。
渋柿や緑茶に含まれるタンニンという物質が、お口の中の舌や粘膜といった組織のタンパク質と反応することで、あの感覚を引き起こします。
他にも身近なところだと、レモンやワイン、紅茶にも収れん作用があるといわれています。
渋柿をはじめとして一部の果物、一部の未熟な果物はタンニンをはじめとする収れん作用のある成分を含みます。
渋みの独特の感覚を捕食者が嫌がり、未熟な状態の果物に手を付けないよう促すことで、種が成熟するまで時間を稼ぐためではないか、と考えられています。
「収れん作用」という言葉はよく聞きますが、よく効果を分かっていなかった人も多いでしょう。この記事を読んで、本当に効果があるということが分かったはず!
個人差はありますが、手汗の気になる方は一度制汗剤を試してみるべきでしょう。
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