多汗症の方は、汗のべたつきも気にしていると思いますが、「汗の臭い」が一番の悩みの種だと思います。
この汗の臭いを抑える方法の一つに「汗腺を鍛える」といったものがあります。こちらの方法は、五味クリニックの院長「五味常明氏」や池袋西口ふくろう皮膚科クリニックの院長「藤本智子氏」が自身のクリニックのホームページで紹介している、とてもお手軽な臭い対策となっていますので、是非参考にしてみて下さい。
汗の臭いの原因は何かご存知でしょうか?もともと分泌されて間もない汗は無臭であり、特に手汗などのエクリン腺と呼ばれる汗腺から分泌される汗は、ほとんど水であるといっても差し支えありません。
しかし、肌表面に存在する雑菌が汗に含まれる成分を分解すると、分解臭が発生し、これが汗臭さの原因になります。
つまり、汗中に水以外の不純物が多くなると、分解臭も強くなるので、汗の臭いも強烈になります。実際、ワキ等にあるアポクリン腺と呼ばれる汗腺から分泌される汗には、皮脂やタンパク質などの不純物が多く含まれているので、脇汗は手汗よりもずっと臭いが強くなります。
現代人は汗腺の機能が弱まっている傾向にあるといわれています。汗腺という器官自体は、出来て間もないものであり、使われないとすぐにその機能が低下してしまいます。
冷房の効いた室内で一日中過ごす人も多いと思いますが、そのような生活環境では、汗をかく機会が減少し、汗腺の機能低下を引き起こしてしまいます。
汗腺にはろ過機能があり、汗を分泌する際に塩分やミネラルといった成分は過剰に排出されないような調節が行われています。
しかし、汗腺機能が弱まっていると、そのろ過機能が正常に働かず、塩分やミネラルなどが余分に排出されてしまいます。そうすると、汗に不純物が増えるので、雑菌による分解臭が強くなります。
このように、汗腺の機能が不十分なために生じる不純物の多い汗を「悪い汗」、逆にろ過機能が正しく機能して分泌される、不純物の少ないサラサラとした汗を「いい汗」と五味クリニック院長の五味常明氏は定義しています。
汗腺を鍛えるためには、単純に汗をかく機会を増やせばいいだけです。なので、ジョギングやウォーキングの習慣をつけるというのも良い方法だと思います。
しかし、忙しくて中々そんな時間が取れないという方も多いと思いますので、ご自宅で簡単に行える汗腺トレーニング法をご紹介しましょう!
ここでは、五味院長も推奨する、お風呂での汗腺トレーニングを紹介します。まず、42~43度と熱めのお湯を浴槽に溜めます。
このお湯の中に、ひざ下と肘から手の先までを浸します。そうすると5分もすれば汗が噴き出してくると思います。これを15分間続けてあげましょう。
これを毎日繰り返せば、汗腺が鍛えられ、サラサラした「いい汗」が出るようになります。
先ほどのお湯に水を足してぬるま湯(36度程度)にし、みぞおちぐらいまで体をお湯に浸します。入浴時間は10~15分くらいが良いでしょう。このように半身浴をする事で、体温が急激に下がるのを防ぎ、交感神経の機能が安定化します。
入浴後は、タオルで水気を拭き取り、汗が完全に引いたら服を着ましょう。これも汗腺の機能を高める効果があるとのことです。
汗腺を鍛えるにはとにかく汗をかけば良いのでサウナや石ぶろを利用するのも効果的です。お近くにあれば積極的に利用してみましょう!
最近では消臭・防臭効果をもった洗濯用洗剤や柔軟剤、消臭スプレーが各社から発売されています。汗の臭いが気になる方は、そのような商品を用いる事で臭いを減らす事ができますよ。汗腺トレーニングと並行して行えば効果は抜群です。是非お試しあれ!
よくメディアでサウナには体の毒素を体外へと排出する「デトックス効果」があると謳われていますが、発汗によるデトックス効果には科学的な裏付けは一切ありません。
そもそも汗というものは(温熱性発汗の場合)体温調節のために分泌されるものであり、体内の毒素を排出するのは腎臓や肝臓といった器官の役目になります。
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