多汗症の薬について、飲み薬と制汗剤の併用は大丈夫?【汗を止めるコツ】

多汗症、手汗には飲むタイプの内服薬と塗るタイプの外用薬(制汗剤)があります。医師の指導のもと、これらを併用することもあります。

内服薬と外用薬の併用は大丈夫?

結論から述べると問題はない!

パースピレックスのような肌に塗るタイプの制汗剤と、プロバンサインのような経口摂取する内服薬の二つを同時に併用することで重大な副作用が引き起こされるような事はありません。むしろその2つを併用することで、効果的に汗対策を行うこともあります。

実際に広島皮ふ科では外用薬と内服薬の併用治療を行なっており、また、場合によっては内服薬の代わりに漢方を用いる事もあるようです。

また、多汗症治療ガイドラインの作成に携わった藤田智子医師によるマルホ皮膚科セミナーの資料には、手汗・手掌多汗症対策の場合、内服薬は外用薬(制汗剤)の補助的に用いるという旨の記述があります。

内服薬と外用薬の作用の仕方は全く異なるので、相乗効果で制汗効果を高めることができるというメリットもあります。ただし内服薬、外用薬それぞれに副作用が存在するので、いたずらに併用すれば良いというわけではありません。

併用している人の口コミ

ツイッターやインスタグラム上でも実際に外用薬内服薬を併用している人がいました。

クラブ行く時はかなり薄着で、プロスパス飲んで、オドレミンで脇止めて、デトランスαで足汗止めて、手もどうせ止まらないけどデトランスα塗って汗止まれ〜って願って行かなきゃダメだな。どんだけクラブ行きたいんだよ。

tsuda_mika / Via instagram

プロパンサインは内服すると汗を止めてくれるので頓服で使ってます。ラロッシュポゼは補助的に使って、メイク崩れ防止と、首とか関節に使ってあせも予防してます。

source:www.instagram.com

密封療法もオススメ!

「手の汗を抑えるために制汗剤を使用しているが、なかなか汗が止まらない」という方は内服薬との併用のほか、手袋を使用する密封療法を試してみてもいいかもしれません。密封療法のやり方や必要なものは以下の記事にまとめていますので、参考にしてみてください(^^)/

外用薬と内服薬それぞれの効果

外用薬の手汗への作用

外用薬の制汗効果は、塩化アルミニウムやクロルヒドロキシアルミニウム、ミョウバンなどの金属塩(特にアルミニウム塩)によるものです。

アルミニウム塩が肌に触れると、

・肌を引き締める、または肌表面のタンパク質を凝固させる(収れん作用)
・肌表面のタンパク質をゲル状にして汗腺を塞ぐ

の二つの作用により汗腺からの発汗を塞ぐ事になります。

外用薬の例

テサラン・パースピレックス・オドレミン・ファリネなど

内服薬の手汗への作用

脳からの発汗の命令は、自律神経の一つである服交換神経と呼ばれる神経を経由して伝達されます。

そして、その命令を受けた副交感神経の神経末端からは、神経伝達物質である「アセチルコリン」と呼ばれる物質が分泌されます。

このアセチルコリンが汗腺にあるアセチルコリン受容体と結合することで汗が分泌されます。

多汗症に用いられる内服薬は抗コリン薬と呼ばれ、アセチルコリンがその受容体と結合することを阻害します。つまり、発汗の命令がうまく汗腺まで届かないことにより汗が抑制されるのです。

内服薬の例

プロパンサイン・プロスパス、その他抗コリン薬

併用による効果・副作用

相乗効果が期待できる

内服薬は発汗の命令を阻害し、外用薬は汗腺を塞ぎます。それぞれ別のアプローチで発汗を抑制するので、この二つを併用することで制汗効果は高まることが期待できます。

ここぞという時には内服薬と外用薬を併用してみても良いと思います。ただし、特に内服薬の使用について医師の指導のもと適切に行うのが最良です。

副作用がないわけではない

二つを併用することで重大な副作用が起きることはないですが、内服薬、外用薬それぞれに副作用が存在しているので全く害がないわけではないです。

例えば、制汗剤に良く含まれている塩化アルミニウムには肌への刺激性があり、手荒れやかぶれを引き起こしてしまう場合があります。

また、内服薬である抗コリン薬には、体内からの水分の分泌全般を抑える作用があるので、喉や目の渇きを引き起こしてしまいます。

内服薬と内服薬、外用薬と外用薬の組み合わせ

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