良く顔のしわを無くすために行われるボトックス注射は手汗対策にも有効です。ボトックス注射も即日帰宅で入院する必要はないです。ただし、この手術には痛みが伴うのでイオントフォレーシスよりもハードルは高いと思います。

この施術も永続的に手汗を止める事はできないので、定期的に通い続ける必要がでてきます。

費用と保険適用について

手汗対策のボトックス注射は保険適用外となっているため、手術費用も高額になります。病院・クリニックによって価格のばらつきはありますが、目安は以下のようになります。

5~10万円/回

ボトックス注射は術後2~3日後から効果が表れ始めて、1ヶ月ほどでその効果がピークを迎えるといわれています。また、一回の注射につき、4~6ヶ月ほど制汗効果は持続するようです。ただし、効果には個人差があり、1ヶ月ほどで効果が無くなったという人もいます。

仮に、ボトックス注射の制汗効果が4~6ヶ月の間持続すると想定すると、年に2~3回施術を行う事になるので、【10~30万円/年】の費用がかかります。

ETS手術

ETS手術の概要

ETS手術では、脳からの発汗命令が伝搬する経路を断ち切る事によって手汗を止めます。具体的には、自律神経の一つである交感神経の中で、手汗の命令が伝搬する部分を切除する事で永続的に手汗を止めてしまいます。

外科手術ですが、手術に際して入院等は必要なく日帰りで治療を行うのがほとんどです。

今回挙げた治療法の中で唯一永続的に手汗を止める事ができる治療法であり、通院し続けるといった事も必要ありません。

費用と副作用

ETS手術は保険適用の手術であり、その費用は病院・クリニックによって変動しますが、おおよそ【10万円】を見込んでおくとよいでしょう。10万円の投資で永続的に汗を止めれると考えるとお得に感じますが、ETS手術には代償性発汗という副作用が伴います。

代償性発汗とは、手汗を止める事により、背中や下半身などからの発汗が増大するというものであり、術後この副作用に悩まされている方が多数存在するという事も知っておくべきでしょう。

制汗剤(塩化アルミニウム液)

制汗剤(塩化アルミニウム外用薬)の概要

病院やクリニックで多汗症治療の外用薬として、塩化アルミニウム配合の制汗剤を処方される事がよくあります。

塩化アルミニウムが肌に塗布されると、その部分の汗腺に働きかけて発汗を抑制するという事が分かっており、多くの制汗剤でこの成分がよく用いられています。

費用と保険適用について

2018年現在、保険適用となる塩化アルミニウム系制汗剤は存在しないようです。もちろん病院からだけでなく、ネット通販などでも手汗向けの市販制汗剤は購入することができます。

塩化アルミニウム系の制汗剤の価格は、【1,000~8,000円/1ヶ月】ぐらいである事が多いようです。多くの制汗剤では定期購入プランといったものがあり、その場合だと高くても5,000円程度で入手することができます。

よって、定期的に制汗剤を購入することを想定すれば、年間の出費は【12,000~60,000円/年】といったところだと思います。

定期購入プランであれば、買いに行く手間も無くなるので、その点も大きなメリットだと思います。ただし、塩化アルミニウムの使用で肌がかぶれたりするといった副作用が起こる事があります。

内服液(プロバンサイン)

プロバンサインの概要

抗コリン薬という種類の薬には手汗を止める効果があります。脳からの発汗の命令は交感神経を介して神経伝達物質である「アセチルコリン」が汗腺に伝えます。抗コリン薬は、このアセチルコリンが汗腺に命令を伝達のを阻害することで発汗を抑制します。

抗コリン薬は発汗抑制の他に、頻尿、胃炎、腸炎といった症状に対しても良く用いられています。その中でもプロバンサインは唯一、多汗症治療で保険適用があります。

費用と保険

抗コリン薬は保険適用の医薬品です。輸入代行業者を利用して購入する場合は3,000~5,000円くらいの価格水準ですが、医師からの処方だと、保険適用により、【1,000~1,500円/1ヶ月】程度で購入することができます。

つまり年間での費用は以下のようになり、保険適用内で購入すれば最も安価な治療法になります。

・12,000~18,000円/年(保険適用)
・36,000~60,000円/年(保険適用外)

ただし、抗コリン薬にも目や口の渇きなどの副作用があり、併用してはいけないもの、服用してはいけない人などの制約があるので、決して使い勝手が良いものとはいえません。

手汗の手術費用の比較【まとめ】

年間にかかる費用、その副作用、通院の手間などを考慮すると塩化アルミニウム外用薬を用いた治療が一番コスパが良い治療法だと思います。

なので、まず最初に取り組むべき手汗対策は制汗剤を使用で間違いないと思います。もし、制汗剤が自分には合わないと感じたのであれば、イオントフォレーシスや内服薬の服用してみれば良いでしょう。



手汗ノートでは、他にも汗や手汗に関する役立つ100を超える記事を提供しています。特に下の2つは、手汗対策の費用に関する本記事を読んだ方々に人気です。


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