ボトックス注射は手汗・多汗症にも効く?費用や副作用をまとめて解説

ボトックス注射は実は手汗を止める効果もあります。手汗対策ボトックス注射の効果や副作用に加えて、効かない、効果はいつからという疑問にも答えます!

ボトックス注射の効果や作用

ボツリヌス菌の毒素を利用した治療法

ボトックス注射は、ボツリヌス菌が作る毒素(ボツリヌストキシン)を無害化し、注射することで筋肉の強張りを緩める、という施術です。

よく顔のしわを無くすために用いられますが、汗を止める目的で行われることもあります。とくにワキ汗を止めるボトックス注射は聞いたことがある人も多いかもしれません。

実はワキ汗だけではなく、手や足などの部位からの発汗を抑えることも出来るんです!

ボツリヌストキシンってどんな毒?

ボツリヌストキシンには神経を麻痺させる効果があります。そして、人の体の筋肉は神経からの命令により動作します。

神経が筋肉に命令を下す際には、その神経末端からアセチルコリンと呼ばれる神経伝達物質を分泌させます。このアセチルコリンが筋終板と呼ばれる部分にあるアセチルコリン受容体と結合することで筋肉へと命令が伝わるのです。

ボツリヌストキシンには、この神経末端からのアセチルコリンの放出を阻害し、神経麻痺を引き起こす作用(神経毒の作用)があるのです。

ボトックス注射はこのボツリヌストキシンの作用を上手く利用した治療法なのです。

ボトックス注射で手汗は止まる?

人の汗は、自律神経のひとつの交感神経と呼ばれる部位からのシグナルによって分泌が促されます。

この交感神経は、神経末端からアセチルコリンを分泌し、それが汗腺にあるアセチルコリン受容体と結合することで発汗が促されます。

先ほど説明した通りに、ボツリヌストキシンの毒素は神経末端からのアセチルコリンの分泌を阻害するので、ボトックス注射で汗を止めることができるのです。

日本皮膚科学会の原発性局所多汗症診療ガイドライン 2015 にも、手掌多汗症の患者に対しボツリヌス注射が有効であると記述されています。

ただし、施術の際の痛みの調整、症状に応じた投与量がまだ十分確立されていないという問題もあり、手のひら、足、頭、顔からの発汗に対するボトックス注射の保険適用は見送られているのが現状です。

そのため、手汗対策の場合はまず塗るタイプの制汗剤を試した方がよいでしょう。

効果はいつから?

最短でも2~3日から1週間

ボトックス注射を行った直後から手汗が止まるわけではなく、術後2~3日から少しずつ効果を実感し、1週間程度で手汗が止まっているのを実感できます。

注射の種類や施術方法、個人差などによって多少前後する可能性はありますが、概ねこの期間となるようです。

効果の持続期間

4~6カ月ほど続く

ボトックス注射は永続的に効果が持続するわけではなく、1ヶ月くらいでその効果のピークを迎え、それから徐々に薄れていき、4~6ヶ月ほどで完全に効果が無くなってしまいます。

持続期間を延ばす方法

ボトックス注射を定期的に行う事でその効果の持続期間が長くなるといわれています。これは、以下のような流れで起こると考えられています。

・定期的なボトックス注射により筋肉を動かさない状態が続く

・その筋肉が段々と小さくなる

・最終的にその縮小した状態に落ち着いてしまう(筋委縮と呼ばれる現象)

しかし、手汗を止めるという場合には、この筋委縮の機構が関係しないので、制汗効果の持続期間が長くなるという事はないでしょう。

費用・値段や保険適用について

1回あたり5万~10万円

ボトックス注射は保険適用外の治療になるので、手術費用が高額になります。クリニックによってばらつきがあるのですが、1回の治療で5~10万円程度の費用であることが多いようです。

また、ボトックスで永続的に手汗が抑えられるわけではなく、定期的に病院に通い続ける必要があり、維持費も考慮する必要があります。

手汗の場合は保険適用外!

手掌多汗症に対してボトックス注射が有効である事は確かな事実として認められてはいるものの、

・激しい痛みに対するコントロール方法が不十分
・多汗症の重症度に応じた投与量の目安がまだ定まっていない

という点で欧米諸国でも保険適用外となっており、日本でも保険適用を見送っているのが現状です。

一方、ワキ汗に対しては、重症であり、日常生活に支障が出るレベルである(いわゆる原発性腋窩多汗症)と認められた場合に関しては保険適用が認められています。

年に2~3回注射を行う必要がある

ボトックス注射の効果の持続期間は4~6ヶ月といわれています。そうであるならば、年に2~3回は治療を受ける必要があるという計算になります。

つまり、ボットクス注射で手汗を抑えるためには、年間【10~30万円】のコストがかかるという事になります。

また、病院によって麻酔がオプションであったりするので、なるべく施術の際の痛みを減らしたいのであれば、さらにそのオプション料金を付加する必要があります。

ボトックス注射の副作用・リスク

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