ワセリンは、手足のひびやあかぎれを保護するためのものであり、汗を抑えるためのものではありません。
ただし、水をはじく性質があるので、少量の汗ならば、ワキから垂れるのを防いでくれるかもしれません。でも本来の用途ではないので、あまり期待はしない方が良いでしょう。
ワセリンには保湿効果はありますが、殺菌、消臭効果はありません。そのため、ワセリンを塗ってもワキガ臭を抑える事は出来ないでしょう。
わきがの臭いの原因は、アポクリン腺から分泌される汗にあります。
人の汗腺にはエクリン腺とアポクリン腺の2つに分けられます。アポクリン腺は脇や肛門周辺など限られた部分にのみ分布しています。
アポクリン腺からの汗には皮脂やタンパク質、アンモニアなどの臭いの原因物質が多く存在します。これらの物質は、皮膚表面に存在する細菌の餌となり分解されます。
この分解の過程で細菌は分解臭と呼ばれる臭いは発します。これがワキガ臭の原因となります。
ワセリンは、石油から作られる保湿剤です。石油には様々な有機物が含まれており、ワセリンはその中でもパラフィンやシクロパラフィンといった化学物質を主成分としています。
ワセリンは主に肌の乾燥を防ぐ目的で使用されます。
アルカンと呼ばれる化合物群の中で、炭素数が20以上のものを総称してパラフィンと呼んでいます。
アルカンは、炭素と水素のみで構成される化合物で、単結合のみで構成されているという特徴があります。パラフィンは、上述のワセリンの他に、ろうそくやクレヨン等にも含まれています。
尚、環状の構造を持つパラフィンはシクロパラフィンと呼ばれます。
ワセリンは、主に肌の乾燥を防ぐ目的で使用します。実際に、保湿剤や赤ちゃんのオムツのかぶれを防ぐ目的で使用している人が多いようです。
肌に良くなじむので化粧用品にも良く配合しています。例えば、お近くのリップクリームの成分を確認するとワセリンが含まれているはずです。
2016年に理化学研究所の研究チームが、アトピー性皮膚炎の予防にワセリンが効果的であることを明らかにしています。
彼らはアトピーを発症したマウスの遺伝子ではJAK1分子に異常が生じている事を発見。さらに、ワセリンの塗付やJAK1遺伝子の働きを抑える薬を与える事で、アトピーの発症を遅らせる事に成功しています。
以上の結果からワセリンでアトピーが予防できる可能性があると報告しています。
ワセリンには油のように滑りを良くする効果があります。この特性を利用して、ジッパーの上げ下げをスムースにしたり、ドアの開閉を楽にするといった活用の仕方が考えられます。
このように、ワセリンはアイデア次第で様々なシーンで使える便利グッズです。
ここでは、ワセリンが使われている制汗クリーム、わきが対策クリームなどを紹介します。
ワセリンを配合したワキガ対策クリーム。ミョウバンを含む計4種の収れん作用を持つ成分が含まれており、汗を抑える効果があります。
また、殺菌成分も配合しており、汗対策と臭い対策を同時に行えます。
価格:1800円
ワセリンを配合する消臭クリーム。臭いの原因であるバクテリアを中和する成分が入っています。アルコール、アルミニウムフリーの製品です。
尚、制汗効果はありません。
価格:2160円
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