桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)は、更年期障害やホルモンバランスの乱れに伴う上半身の火照り、下半身の冷え、生理痛、多汗などに効果があるとされている漢方薬です。
直接的に手汗を止めるというよりは、更年期・ホルモンバランスの乱れを改善することでそれに付随する多汗を抑えるために服用されるようです。
ちなみに当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)、加味逍遙散(かみしょうようさん)と同様の効果を持っており、この3つを合わせて「三大漢方婦人薬」と呼びます。
桂枝茯苓丸は市販されていますが、病院で医師から処方されることもあります。保険も適用されます。
例えば埼玉県にあるめぐみクリニックでは更年期障害に伴う多汗を改善するためにこの漢方薬を処方することがあるそうです。
広島皮ふ科では、手掌多汗症、ワキガなどの治療を行っており、汗を止める内服薬である抗コリン薬(プロバンサイン)を処方することもあるが、患者の症状に合わせて桂枝茯苓丸をはじめとする漢方を用いる場合もあるとのこと。
桂枝茯苓丸は特に女性の更年期障害やホルモンバランスの乱れに伴う以下のような症状に対して有効です。
・上半身の火照り
・下半身の冷え
・生理痛
・月経不順
・便秘
・イライラ
・多汗
漢方の考え方では、「気」とは人間が活動する上で欠かせない力の源となるものの事を指し、「血(けつ)」は体全身に行き渡り、各部分に栄養を与えるものであるとされています。
この両者の量は同じである事が望ましく、そのバランスが崩れると体に不調が生じてしまいます。また、これらの流れが悪いと生理痛や更年期障害に諸症状を引き起こすとされています。
生理と血の量や流れには深い関係があるとされています。漢方医学では、生理痛、生理の遅れ、それに伴う便秘やイライラ等の症状は以下のような原因により生じると解釈しています。
血の流れが悪い → 生理痛、便秘
血の量が少ない → 生理が遅れる
気の流れが悪い → イライラ、上半身の火照り、下半身の冷え
桂枝茯苓丸には、血の流れを良くする働きがあるとされています。先ほど説明した通り、生理や、それに伴う諸症状の原因は血の流れにあるので、それを改善する桂枝茯苓丸は女性の体の不調に有効なのです。
大阪府にある医療法人拓晃会 よこかわクリニックの院長 横川晃治氏監修の臨床研究によると、閉塞性動脈硬化症の患者へ桂枝茯苓丸を投与したところ、血液の流動性に改善が見られたとのこと。
<桂枝茯苓丸の薬効薬理に対する臨床研究、http://www.kampoyubi.jp/material/clinical/pdf/GR-027.pdf>
詳しい医師の指導のもと使うのが最良です。市販のものを服用する場合、下記の症状がみられた際は、ただちにご使用を控えるようにしましょう!
・肝機能障害
・黄疸
・発疹
・食欲不振
・下痢、胃の不快感
成人の場合、一日の使用量の目安は7.5gで、これを2~3回に分けて服用。自身の体格や年齢、症状等に合わせて適宜量をを調整するのは全然かまわないです。
ただし、ここではツムラの桂枝茯苓丸(エキス顆粒)の用法、用量を参考にしています。ご自身が購入、または処方された桂枝茯苓丸に付いてる添付説明書の使用方法の欄もしっかり確認するようにして下さい。
また、医師の指導のもと服用するのが最も望ましいです。
・子供(使用例が少なく安全性が保証できない)
・妊婦、授乳婦など(流産、早産をおこす恐れあり)
・高齢者
・病気などにより体力が衰えている人
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