「命の母」は、小林製薬から販売されている、更年期障害や生理時に生じる諸症状を改善する生薬を配合した医薬品です。
更年期障害によりホルモンバランスが乱れると、体の火照り(ホットフラッシュ)、息切れ、動悸、イライラ、不眠、そして多汗などの症状が現れます。
これらの症状、特に多汗を改善する命の母は、手汗対策としても用いることができると考えられます。そこで、今回の記事では、命の母の効果や入手方法などをリサーチし、手汗対策方法としてはどうなのかを検証してみました。
小林製薬は、1886年に創業者の「小林忠兵衛」が立ち上げた雑貨や化粧品を販売する会社「合名会社小林盛大堂」から100年以上続く、日本を代表する大企業です。
小林製薬から販売されている商品には、トイレの消臭・芳香剤の「ブルーレット」、「サワデー」や女性向けの医薬品「フェミニーナ」、「ファイチ」などがあります。どれも一度は耳にしたことがある商品ですよね!
命の母には、「命の母A」と「命の母ホワイト」の2種類の商品があります。それぞれターゲットにしている症状が以下のように異なります。
更年期障害に伴う諸症状に有効
生理に伴う諸症状に有効
Aの方では、「気」、「血」、「水」のバランスや流れを整える13種類の生薬に加え、各種ビタミンも配合しています。
一方、ホワイトでは、ビタミン類は一切配合しておらず、生薬のみから構成されています。もちろんその生薬の種類や配合量はAとは異なり、生理による不調の改善に特化した作りになっているようです。
更年期障害や生理に伴って現れる多汗は、ホルモンバランスの乱れによって引き起こされます。以下でもう少し詳しく解説していきましょう!
手汗は自律神経の一つである交感神経の働きが活発になることで分泌が促されます。この自律神経の調整を行っているのが視床下部と呼ばれる部分になります。
また、女性ホルモン(エストロゲン)の分泌量をコントールする中枢は、視床下部に隣接した下垂体と呼ばれる部分であり、この部分の働きが亢進されると、視床下部の方の働きも亢進されてしまいます。
更年期や生理のときは、女性ホルモンの分泌を促す中枢である下垂体の働きが亢進しています。つまり、その影響で視床下部の方も亢進し、自律神経のバランスが崩れ、発汗量が増えるなどの症状が引き起こされるのです。
以上の事より、命の母は、更年期や生理時に伴う症状に有効である薬なので、女性ホルモンの乱れにより生じる手汗であれば、発汗量を減少させることができると思われます。
命の母は、生薬から構成されており、漢方薬に分類される薬です。東洋医学では、
気:人が活動する上で原動力となるもの
血:体に栄養を届けるもの
水:体を潤し、浄化するもの
の3つの概念がとても重要です。これら3つの量のバランスが良く、流れが滞りない状態が良いとするのが東洋医学の考えであり、更年期か生理による体の不調はそれらのバランスの崩れによりもたらされるといわれています。
命の母では、この気、血、水の3つのバランス、流れを改善することで体の不調を改善するようです。
命の母には以下のような副作用があるようです。
・かゆみ
・発疹
・胃の不快感
・食欲不振
・吐き気・嘔吐
・腹痛・下痢
これらの症状を感じた際には、直ちにご使用を控えるようにしましょう!
一日3回、一回4錠、つまり一日12錠を服用することになります。服用のタイミングは食後で、自分勝手に服用量を増減させたりしないで下さい。
基本的に漢方薬は、食前、食間に服用するものですが、命の母の場合、食前に服用すると、胃の不快感などの副作用が起きやすくなるという事なので、食後を推奨しているようです。
小林製薬の公式サイトによると、最低でも2週間は服用を継続してほしいとの事です。命の母は体の中へじっくりと働きかける薬であり、効果が現れるのには時間がかかります。
また、女性の生理周期を考慮して、1~2ヶ月の継続使用を推奨しています。
命の母に含まれている生薬「ダイオウ」が母乳を通して赤ちゃんの体内に入り、下痢を引き起こしてしまう事があるので、授乳中の方は服用してはいけません。妊娠中の方の場合は、服用前に医師に相談し、自己判断で使用するような事は止めましょう。
また、命の母には胃の不快感などの消化器系の副作用があるので、胃腸の弱い方は、様子をみながら服用し、不調が出たらすぐに使用を控えるようにして下さい。
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