耳垢のタイプはカサカサの乾燥耳垢とじっとりと湿った湿性耳垢の二種類があります。一般に、湿った耳垢の人はワキガ体質である可能性が高いとされています。
記事下部でも解説しますが、日本人の場合、乾燥した耳垢の割合の方が高く、約84%の人がこのタイプの耳垢であるという報告があります。ただし、耳垢が湿っているからといって、必ずしもワキガとは限りません。
ワキガ体質の方は、汗腺の一つであるアポクリン腺が発達しています。同様に、アポクリン腺の発達が耳垢の湿りを引き起こす場合があります。そのため、耳垢が湿っているとアポクリン腺が発達していると考えられ、ワキガ体質である可能性が高まるのです。
ご自宅にある綿棒を用いてワキガのセルフチェックが簡単に行えます。
耳の中に綿棒を入れ、皮膚を軽くこすって取り出してみて下さい。もし、湿性タイプであれば、綿棒の先が湿っているのが確認できるはずです。尚、入浴後や運動後の場合、乾性タイプの方でも耳の中が湿ってしまい、正しい診断が出来なくなるので注意しましょう。
乾性耳垢の場合、ワキガ体質ではありません。綿棒の先が少し湿っている程度の場合は、ワキガの可能性は低めです。綿棒の先にべっとりと耳垢が付着し、黄色く染まった場合は、ワキガ体質である可能性が高いです。
インターネットで「ワキガ 耳垢 画像」と検索すれば、参考画像が表示されるので、これらの画像と自身の綿棒を比較してみると良いでしょう。是非試してみて下さい。
アポクリン腺からの汗はタンパク質や脂質を多く含み、臭いが強くべたべたとしているという特徴があります。耳の中にもアポクリン腺は存在し、この汗腺が発達している人は、耳の中がべたべたと湿った状態になります。
尚、アポクリン腺が原因で耳垢が湿っている場合は、ワキガ体質である可能性が高いです。
耳の中の皮膚はデリケートであり、耳掃除をやりすぎると傷ついてしまいます。この傷を治そうと耳から耳垂れ(耳漏)という液体が分泌され、耳の中が湿り、耳垢も湿り気を持つ場合があります。
耳だれが出るとかゆみを伴う事もあります。かゆいからといってさらに耳かきをすると以下で紹介する外耳炎になる場合があります。
尚、耳垂れによる耳垢の湿りとワキガは無関係です。
耳の中は、外側から中に向かって外耳、中耳、内耳という3つの部分から構成されています。耳の外側から鼓膜までの間が外耳であり、この部分が炎症する病が外耳炎です。
耳垂れが分泌された状態で繰り返し耳かきを行うと、耳本来が持つ自浄作用が失われ、細菌などが感染し、化膿します。この状態でも耳垢は湿った状態になりますが、ワキガとの関連性はありません。
入浴後や運動後は発汗が促されるため、渇いた耳垢の人でも一時的に耳の中が湿った状態になります。普段から耳垢が湿っているのであればワキガの可能性がありますが、このように耳垢が一時的に湿る場合はワキガ体質ではありません。
耳垢の湿りとわき汗が多い事は関係ありません。
わき汗が多い人は、体温調節と関係するエクリン腺からの発汗が多いです。記事上部でも解説したように、耳垢の湿りはアポクリン腺からの汗にあり、エクリン腺からの汗は無関係。そのため、耳垢が湿っているからわき汗が多いとはなりません。
記事冒頭でも解説したように、日本人の耳垢は、乾性タイプが84%、湿性タイプが16%となっていますが、この割合は人種によって異なります。
例えば、白人の場合は乾性タイプが10%未満、湿性タイプが90%以上、黒人の場合は乾性タイプが0.05%程度、湿性タイプが99.5%となっています。
つまり、世界的に見ると湿性タイプが主流であり、乾性タイプの方が珍しいのです。
本記事でも解説したように、耳垢が湿っているとワキガ体質である可能性が高いです。つまり、ワキガ体質の割合も人種によって異なるであろう事が推測されます。
実際に、日本人のワキガ率は1割程度、白人では8割以上、黒人ではほぼ100%とされています。この結果からも、耳垢の湿りとワキガの関係性が伺えます。
耳垢の湿りとワキガの関係性について解説しました。本記事を参考にして頂ければ幸いです。
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