柴胡加竜骨牡蠣湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)は、不眠、多汗などの自律神経が不安定になることで生じる種々の症状に効果があるとされている漢方薬です。
特に手汗というものは、精神的なストレスを受けることによって分泌されるものであり、柴胡加竜骨牡蠣湯が有効であると考えられます。
そこで、今回の記事では、柴胡加竜骨牡蠣湯の効果や副作用に加えて、正しい使い方、お得な入手情報についてまとめてみました。是非ご自身の手汗対策に役立てて下さい!
柴胡加竜骨牡蠣湯は、病院やクリニックで処方される事もあるようです。例えば、「クリニック桜丘」では、不安やイライラなどの症状がある患者さんに対して処方しているようです。
また、かわしま循環器内科では、多汗症治療のためにこちらの漢方を処方しています。ちなみに、柴胡加竜骨牡蠣湯は保険が適用できる漢方薬となっています。
柴胡加竜骨牡蠣湯は、医師や薬剤師から処方される医療用医薬品の製品の他に、「ツムラ」や「クラシル」といった大手製薬会社から販売されている市販の商品もあるので、ドラッグストアやネットショップなどでも簡単に入手することができます。
柴胡加竜骨牡蠣湯には、体の機能の働きを鎮める「柴胡(さいこ)」を中心に、穏やかな気分にする「竜骨(りゅうこつ)、「牡蠣(ぼれい)」、軽い発散を促す「桂皮(けいひ)」といった計11種類(製品によっては10種類のものもある)の生薬が配合しており、これらの作用が混じり合うことで自律神経を整えます。
つまり、柴胡加竜骨牡蠣湯は、自律神経を整えることで、不眠、多汗、高血圧などの症状を軽減することができます。
西洋医学では、症状に直接作用するような薬を処方するのに対し、東洋医学ではその症状を引き起こしている原因は何なのかを突き止め、それを改善することにより症状を軽減させます。
例えば、不眠に悩んでいる人がいるとします。西洋医学では、眠りを促すような薬で症状の改善をはかりますが、東洋医学では眠りを妨げている原因を取り除いてあげることで、正常な睡眠機能を復活させます。
東洋医学では、気、血、水という概念がとても重要であり、これらが正しく体の中に巡っている状態が健康であり、その流れが滞ることで体の不調が生じると考えられています。
以下でこの3つの概念について簡単に説明しておきます。
気:人が活動する上で必要な源となるもの
血:体中に栄養を行き渡らせるもの
水:血以外の体液を指します。これが全身に回ることで体が潤います
汗は自律神経のひとつである交感神経の働きが亢進することにより促されます。また、自律神経の働きの異常は、不眠やイライラといった症状も引き起こします。
東洋医学的には、これらの症状は気のめぐりが悪い、血の過不足といったものが原因となって生じると解釈されます。
柴胡加竜骨牡蠣湯には、気のめぐりを良くする効果があるとされています。この効果により自律神経の働きが正常となり、汗を止めることができます。
ちなみに、気の流れが止まると気は熱へと変化し、これが頭に上り、脳の働きに異常をもたらすとされています。その以上の一つが自律神経のバランスの崩れなのです。
深刻な副作用には以下の二つのものがあります。
・間質性肺炎(発熱、呼吸困難等を伴う)
・肝機能障害
・黄疸
また、発疹や胃の不快感が生じる場合もあるようです。服用により体になんらかの異常を感じた時は、速やかにご使用を控えるようにしましょう!
ツムラ柴胡加竜骨牡蛎湯エキス顆粒の解説書によると今現在、柴胡加竜骨牡蠣湯には以下の薬理効果が有ることが認められています。
・抗動脈硬化作用
・向精神性作用
これはラットに対して柴胡加竜骨牡蛎湯を投与し効果を確かめたということです。手汗に関連した効果として、二つ目の向精神性作用が重要です。これは精神機能になんらかの作用を及ぼすという意味で、精神性発汗である手汗にも影響を与えるという事を示唆しています。
一日に7.5gを2~3回に分けて服用します。服用のタイミングは食前、もしくは食間になります。飲み忘れた場合には、なるべく早く服用し、もし次の服用時間が近い場合には、一回分スキップしましょう。
また、一度に2回分の量を服用するような事も控えて下さい。ここで紹介した使用方法は、「ツムラ 柴胡加竜骨牡蠣湯エキス顆粒(医療用)」を参考にしています。実際に使用する際は、ご自身が購入、もしくは処方された製品の添付説明書の方法に従うようにして下さい。
以下に該当する人は服用に注意が必要です。
・高齢者の方
・妊婦、授乳婦など
・子供
高齢者の場合、体の機能が衰えているので、薬の量も適宜減らす必要があります。また、妊婦等に服用する場合は、その薬の効果と危険性を考慮し、メリットの方が大きくなるのであれば投与しましょう。
子供に関しては使用例自体が少なく、安全性も確立されていないので、ご使用は控えた方が良いと思います。
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