桂枝加竜骨牡蛎等(けいしかりゅうこつぼれいとう)は、不眠や不安感など、精神的なことから生じる諸症状に有効されている漢方薬です。
手汗は、緊張や不安などの心的要因から引き起こされる「精神性発汗」と呼ばれる発汗機構に属し、このような精神的な不調に作用する桂枝加竜骨牡牡蛎等には手汗と止める作用があると考えられます。
そこで、今回の記事では、桂枝加竜骨牡蛎等の手汗対策としての有効性に加え、安く買う方法という面についても評価してみました。
桂枝加竜骨牡蠣湯は保険適用の漢方であり、病院で処方されることもあります。
病院まで足を運ぶのはちょっと面倒だと感じる方もご安心下さい。桂枝加竜骨牡蠣湯は、「つむら」や「クラシエ」といった会社から市販品が販売されているので、お近くのドラッグストアでも購入することができます。
また、Amazonや楽天といった大手ECサイト上でも購入できるので、地方や離島にお住まいの方でも簡単に入手することができます。
外出先で「ガスの元栓閉めたかな?」や「もしかしてクーラーの電源消してないかも!」といった些細な事で不安になる神経質な方に、桂枝加竜骨牡蠣湯が処方されることがあります。
またその他にも、大事なスポーツの試合や音楽の発表会など、緊張で手に汗握るようなシチュエーションでも心を穏やかにしてくれるので、手汗のような精神性発汗を緩和することができるとされています。
ここでは、東洋医学的な視点から桂枝加竜骨牡蠣湯の体への作用を解説しますが、その前に「気」と「血(けつ)」というワードについて抑えておきましょう!
東洋医学的な考えでは、気とは、人間が活動する上で原動力となるもので、血とは体のすみずみに栄養を行き渡らせるものとされています。
この二つの量のバランスは、人間の体調と深い関わりがあります。
通常、気と血の量は同じで、バランスが保たれた状態となっています。しかし、なんらかの要因でそのバランスが崩れてしまうと、ちょっとした事で不安感が募ったり、落ち着かない状態になるなど心のバランスが崩れ、「神経質」と呼ばれる状態になってしまいます。
例えば、生理時は精神的に不安定な状態になりますが、これは血が欠乏することにより、気と血のバランスが崩れるために起こると解釈されます。
桂枝加竜骨牡蠣湯は、気と血のバランスを整える作用があり、それにより「神経質」な状態を改善することができます。
この漢方薬には7つの生薬が配合しており、
・桂枝(けいし):おだやかな発汗作用
・竜骨(りゅうこつ):気持ちを落ち着ける
・牡蠣(ぼれい):気持ちを落ち着ける
の3成分は特に発汗作用と強いつながりがあります。その他に「芍薬(シャクヤク)」、「生姜(ショウキョウ)」、「大棗(タイソウ)」、「甘草(カンソウ)」が配合しており、これらの成分の作用が合わさることで精神を安定させます
重大な副作用には以下のような症状があります。
・偽アルドステロン症:甘草の作用によりむくみや血圧上昇を引き起こすことがある
・ミオパチー:筋肉のしびれや脱力感など
その他に軽い副作用として発疹が現れる場合もあるようです。いづれにせよ、体に異常が生じた際にはただちに服用を控えるようにして下さい。
諏訪中央病院の永田豊氏ほか5名による臨床報告によると、心的ストレスによって起こる症状を抱える4名の患者へ「桂枝加竜骨牡蠣湯」と「甘麦大棗湯」を併用して服用してもらったところ、精神症状を緩和したとのこと。
<桂枝加竜骨牡蛎湯と甘麦大棗湯の兼用が有効であった不安症の4症例、https://www.jstage.jst.go.jp/article/kampomed/68/4/68_317/_pdf>
一日の使用量は7.5gで、これを2~3回に分けて服用します。服用のタイミングは食前、または食間がベスト。
服用の際にはその間隔が短くなりすぎないように注意して下さい。例えば、飲み忘れがあった場合は、なるべく早めに服用した方が良いですが、もし次の服用時間がすぐそこに迫っているのであれば、一回分飛ばして次のタイミングで服用すべきです。
もちろん、飲み忘れたからといって一度に2回分の量を服用するのもダメです。
こちらで紹介した用法、用量は、ツムラの桂枝加竜骨牡蠣湯(エキス顆粒)を参考にしたものであり、実際に使用する際には、ご自身の処方薬、もしくは市販薬の添付説明書に従うようにして下さい。
・カンゾウ含有製剤
・グリチルリチン酸またはその塩類を含む薬
これらの薬と一緒に併用すると、副作用の項目でも紹介した「偽アルドステロン症」や「ミオパチー」といった症状を引き起こす恐れがあります。
・子ども
・妊婦、産婦、授乳中の人
・高齢者
子どもへの使用例は少なく、安全とは言い切れません。また、高齢者には量を減らすなどの処置を行う必要が出てくるでしょう。
妊婦の方の場合は、この薬の投与による治療効果と危険性を考慮して判断する必要があります。このような方々への投与は、医師や薬剤師などの専門家への指示の元に行いましょう!
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