手汗でお悩みの方の中には、ただの汗っかきで片づけてしまっている人も多いと思います。しかし、手汗がひどいのは「手掌多汗症」という名の付いた病気のせいかもしれません。
手掌多汗症は、発汗機能と密接な関係がある自律神経の一つの「交感神経」の働きが亢進することによって引き起こされます。しかし、何が原因で交感神経の働きが活発になっているのかは良く分かっていないようです。
今回の記事では、手掌多汗症であるかどうかチェックする方法について解説していきます。病院などで行われる本格的な検査方法の他に、自分でも簡単にできるセルフ診断法についても紹介していますので、是非役立てて下さい!
手掌多汗症のレベルを測定する方法はいくつか存在しますが、ここでは最も簡単な方法を紹介します。
この方法では、手汗を以下のような3段階で分類します。
レベル1:手が若干湿っている。手で触れると汗を感じることができる
レベル2:手に水滴ができる。目視でも汗をかいている事がわかる
レベル3:多量の汗が出て滴り落ちる
あなたの手汗レベルは何でしたか?その他の診断方法については後で紹介していきます。
先ほど述べた通り、今現在、手掌多汗症発症の原因は良く分かっていませんが、もしかしたら別の病気によって手汗が誘発されているという事もあるかもしれません。
例えば、糖尿病には、腎臓病、動脈硬化といった様々な合併症があるという事をご存じの方も多いと思いますが、実は多汗を引き起こす場合もあります。手汗の原因が糖尿病であるならば、それを治療すれば発汗量は少なくなるはずです。
そこで、多汗を引き起こす恐れがある代表的な病気もいくつかピックアップしましたので、チェックしてみて下さい!
多汗症ガイドラインにも記載されている、簡単な局所多汗症診断法があるので、ここで紹介しましょう。
この診断法は7つの質問から成ります。まず最初に問われる質問は、
・原因不明の過剰な手汗が半年以上続いている
この質問に「はい」と答えた人には、続けて以下の6つの質問がされます。
・多汗の症状を自覚したのが25歳以下
・両手の発汗が多い
・睡眠中は手汗が止まる
・週1で1つ以上多汗エピソードがあるの
・家族の中にも同様の症状の人がいる
・手汗によって日常生活に支障がでている
この6つの質問の内、2つ以上当てはまる場合は手掌多汗症と診断されます。
多汗症の重症度を自己診断する方法として、HDSS(Hyperhidrosis disease severity scale)というものがあります。
この方法では、多汗症を以下の4つの重症度に分類します。
・手汗は全く気にならない。日常生活にも支障なし
・我慢できる程度の手汗であるが、日常生活に支障あり
・手汗を我慢するのはほとんどできず、日常生活に頻繁に支障をきたす
・我慢できないほどの手汗で、日常生活において常に支障をきたす
下にいくほど重症という事になります。また、下二つに当てはまる場合を重症とします。
ゼロックス紙にヨードを付けた検査紙で多汗症の度合いを定性的にはかる方法。この検査紙は茶褐色であり、汗に触れると黒色に変色します。重症度は以下のように判断されます。
軽度:指の腹の部分、手の平の淵に点状の変色が出る
中程度:手の汗腺の場所に点状の変色ができる
重度:手全体でべったりと変色がある
手の平にヨード液を塗布し、乾燥させた後にでんぷんを振りかける。発汗部位は黒紫色に変色するので、手汗の度合いが視覚的にわかる。
また、Minor法を改良した和田・高垣法というものもあります。こちらの場合は、でんぷんに加え、ヒマシ油を塗布することで汗の蒸発を防ぎ、より精度の良い検査が行えます。
ろ紙を取り付けた手袋を5分間着用し、手袋の着用前後での重さの変化から汗の量を測定する方法。上記2つの方法とは異なり、定量的に多汗症の度合いを計測することができる。
カプセルで測定箇所を覆い、そこに乾燥ガスを封入し、そのガスの湿度変化から汗の量を測定します。こちらも十炉油計測法と同様に定量的測定法になります。
乾燥ガスを用いるとなると装置が巨大化してしまうという事もあり、実際にはカプセル経由前後の空気の湿度変化から発汗量測定します。
糖尿病とは、何らかの原因で血液中のブドウ糖の吸収を促すホルモンである「インスリン」の働きが阻害され、常に高血糖状態となる病気であり、この状態が続くと、神経症、腎臓病などの様々な合併症を引き起こします。
糖尿病は、インスリンが上手く働かなくなる要因に応じて、以下の二つの型に分類されます。
インスリンは、脾臓にある「β細胞」で産生されるのですが、このβ細胞が破壊される事によってインスリンの分泌が滞るのが、いわゆるⅠ型と呼ばれるものになります。
これは、ウイルスの感染や、自己免疫疾患により引き起され、突発的に発症することが多いです。
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